「列車防護無線装置」は、非常事態が発生した際に、列車から防護無線専用の周波数で防護発報信号を送信し、沿線の他の列車の運転士に一時緊急停止の必要を示して後続列車衝突などの二次災害を防ぐための装置です。
大日電子の防護無線装置は、列車防護に求められる各種の安全対策機能をはじめ、万一に備えて日々の点検を自動的に行うセルフチェック機能、複数路線や他社乗り入れへの対応を考慮した路線切替機能などを備えており、大手私鉄様にも採用いただいております。
当ページでは、大日電子の技術を活かした各種機能についても詳しくご紹介しております。ぜひご一読ください。
列車防護無線装置の主要機器
装置本体
新スプリアス規格対応/入力電源DC13.8V/非常電源内蔵
別体の操作器(下記)と組み合わせて使用し、防護無線の送受信、各種設定・制御などを行います。
本装置は非常電源(バッテリ)を内蔵し、外部電源が途絶えても動作を継続することができます。
本装置は非常電源(バッテリ)を内蔵し、外部電源が途絶えても動作を継続することができます。
主な機能
・防護発報信号の送受信
・セルフチェック機能
・スケルチ機能
・受信感度の調整
・路線切替機能
・いたずら操作防止モード
・デッドマン他連携機能
・セルフチェック機能
・スケルチ機能
・受信感度の調整
・路線切替機能
・いたずら操作防止モード
・デッドマン他連携機能
操作器
操作器では、防護発報に関する操作・表示を行います。
発報スイッチには誤操作防止カバーが付いています。事故発生時はカバーを開けてスイッチを押すだけのシンプルな操作で防護発報を行うことができます。
発報スイッチには誤操作防止カバーが付いています。事故発生時はカバーを開けてスイッチを押すだけのシンプルな操作で防護発報を行うことができます。
操作器の主な動作や表示
・防護発報
発報スイッチのカバーを開けスイッチを押下すると防護発報が制御され(発報LED点灯・警報音鳴動)、装置本体から防護発報信号を送信します。再度発報スイッチを押下すると防護発報が停止します。
発報スイッチのカバーを開けスイッチを押下すると防護発報が制御され(発報LED点灯・警報音鳴動)、装置本体から防護発報信号を送信します。再度発報スイッチを押下すると防護発報が停止します。
・受信
他の列車からの防護発報信号を受信した時は、受信LEDが点灯し警報音が鳴動します。警報音停止スイッチを押下すると警報音が止まります。
他の列車からの防護発報信号を受信した時は、受信LEDが点灯し警報音が鳴動します。警報音停止スイッチを押下すると警報音が止まります。
・電鉄表示(乗り入れを設定している場合)
選択している電鉄のLEDが点灯します。
選択している電鉄のLEDが点灯します。
・防護発報試験
試験スイッチを押下すると試験信号を送信し、防護無線装置の試験をすることができます。試験後は自動的に待受状態に戻ります。
試験スイッチを押下すると試験信号を送信し、防護無線装置の試験をすることができます。試験後は自動的に待受状態に戻ります。
主な機能・特徴
【大日電子の列車防護無線装置】
こだわりの機能をご紹介します
① 列車防護機能
【非常時にもたつかないシンプル操作で防護発報】
事故発生時、防護無線操作器の発報ボタンを押下すると、装置本体が約1kmのエリアに防護発報信号を送信し、周囲の列車に非常事態発生を通知します。
他の列車からの防護発報信号を受信した際は、操作器の受信LED点灯と警報音で報せます。
事故発生時、防護無線操作器の発報ボタンを押下すると、装置本体が約1kmのエリアに防護発報信号を送信し、周囲の列車に非常事態発生を通知します。
他の列車からの防護発報信号を受信した際は、操作器の受信LED点灯と警報音で報せます。
② デッドマン装置との連携機能
【デッドマン作動時に自動で防護発報】
デッドマン装置と防護無線装置を連携させることが可能です。デッドマン装置からの信号を受けた際は自動で防護発報を行い、周辺の列車に非常事態発生を報せます。
デッドマン装置と防護無線装置を連携させることが可能です。デッドマン装置からの信号を受けた際は自動で防護発報を行い、周辺の列車に非常事態発生を報せます。
③ 受信感度調整機能
【路線環境も考慮し、適切な範囲に信号を届ける】
防護無線の運用において「どの距離まで伝達すべきか」は予め慎重に考えておくべき重要な課題です。
非常事態が発生したエリアに関連する列車には確実に防護発報信号を届け、関連しない列車にはできる限り影響を及ぼさないよう努める必要があります。
防護無線の運用において「どの距離まで伝達すべきか」は予め慎重に考えておくべき重要な課題です。
非常事態が発生したエリアに関連する列車には確実に防護発報信号を届け、関連しない列車にはできる限り影響を及ぼさないよう努める必要があります。
防護発報信号の伝送距離は基本的には発報地点から半径1〜2㎞圏内ですが、見通しや線路のカーブ、ビルなどの遮蔽物ほか様々な要素によって信号の到達距離が異なってきます。
大日電子の防護無線装置は、防護発報信号の受信感度(どのくらいの信号の強さで受信判定するか)を調整する機能を備えており、路線環境などに応じて伝送距離を適切に設定することができます。
適切な設定については当社社員が鉄道会社様と一緒に検討し、ご要望により実験を行うことも可能です。
適切な設定については当社社員が鉄道会社様と一緒に検討し、ご要望により実験を行うことも可能です。
④ 非常電源自動切替機能
【外部電源断時も受発信可能で安心】
装置本体は非常電源(バッテリ)を内蔵しており、外部電源の供給が途絶えた際は自動で非常電源に切り替わります。
非常電源は予めタイマー設定した時間でオフになりますが(標準で10分間)、防護発報中はタイマーに関係なく非常電源が無くなるまで作動し続けます。
装置本体は非常電源(バッテリ)を内蔵しており、外部電源の供給が途絶えた際は自動で非常電源に切り替わります。
非常電源は予めタイマー設定した時間でオフになりますが(標準で10分間)、防護発報中はタイマーに関係なく非常電源が無くなるまで作動し続けます。
⑤ セルフチェック機能
【電源投入時に装置自ら正常性をチェック】
装置本体に【セルフチェック機能】を実装しています。電源を入れると自動的に装置内部で信号を折り返して正常性をチェックし、異常がある場合はアラーム鳴動で報せます。
毎日、列車運行前にセルフチェックが行われることで「非常時に故障して使えなかった!」という事態を回避することができます。
装置本体に【セルフチェック機能】を実装しています。電源を入れると自動的に装置内部で信号を折り返して正常性をチェックし、異常がある場合はアラーム鳴動で報せます。
毎日、列車運行前にセルフチェックが行われることで「非常時に故障して使えなかった!」という事態を回避することができます。
⑥ アラーム通知機能
【装置の異常発生を検知してお報せ】
セルフチェック異常、電源異常、無線部異常、試験異常の際はアラーム音で報せます。
セルフチェック異常、電源異常、無線部異常、試験異常の際はアラーム音で報せます。
⑦ 防犯機能
【万が一の「いたずら発報」を阻止】
装置設置時に盗難防止対策を施しますが、万が一盗難に遭った際、いたずらによる防護発報がされないように防犯機能を設けています。
装置設置時に盗難防止対策を施しますが、万が一盗難に遭った際、いたずらによる防護発報がされないように防犯機能を設けています。
⑧ ログ取得機能
【機器故障の際の特定もスムーズ】
装置本体が各種の動作ログ(防護発報信号の送信・受信、各種アラーム、電源断、バッテリー低下など)を取得し、装置内部に一定期間保存します。装置にパソコンを接続してログ情報を収集することができます。
故障時はアラームのログから「どのような異常があったのか」の特定が可能ですので修理・復旧もスムーズに行えます。
装置本体が各種の動作ログ(防護発報信号の送信・受信、各種アラーム、電源断、バッテリー低下など)を取得し、装置内部に一定期間保存します。装置にパソコンを接続してログ情報を収集することができます。
故障時はアラームのログから「どのような異常があったのか」の特定が可能ですので修理・復旧もスムーズに行えます。
⑨ ID識別機能
【防護発報信号を送信・受信した列車の特定が可能】
防護発報信号には列車を特定するIDが含まれ「どの列車が発報したか」「どの列車からの発報を受信したか」を識別することができます。
この情報もログとして防護無線装置に残るため、事故後日の検証にも役立ちます。
防護発報信号には列車を特定するIDが含まれ「どの列車が発報したか」「どの列車からの発報を受信したか」を識別することができます。
この情報もログとして防護無線装置に残るため、事故後日の検証にも役立ちます。
⑩ 路線別設定機能
【複数路線・他社乗り入れにも細かに対応】
大日電子の防護無線装置は、複数の路線系統及び他社乗り入れへの対応を踏まえた仕様となっています。
路線毎にアラーム音の設定や受信の設定が可能で、前述の【受信感度調整】(機能③参照)も路線別に行うことができます。
大日電子の防護無線装置は、複数の路線系統及び他社乗り入れへの対応を踏まえた仕様となっています。
路線毎にアラーム音の設定や受信の設定が可能で、前述の【受信感度調整】(機能③参照)も路線別に行うことができます。
以上の機能や特徴を有し、シンプルな操作で使いやすい大日電子の列車防護無線装置を、ぜひ列車の安全運行にお役立てください。
各鉄道会社様のご都合に応じて細かなカスタマイズも承っております。お問い合わせ、ご相談をお待ちしております。
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列車防護無線中継システム
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列車無線 非常発報システム(防護無線との違い)
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より詳細な試験が可能な「防護無線試験器」もご用意しています
防護無線試験器(可搬型)
別売の列車防護無線試験器(可搬型)で、テスト信号の表示、電波強度、テスト受信確認など詳細な点検ができます。
防護無線装置をより確実に使用するため、検車場に試験器を常置して日常点検を実施することを推奨しています。