列⾞無線更新事例 C社様

安全性向上のため各種連携機能を強化。アナログ無線で機能実現

新スプリアス規格対応による更新に合わせて、列車無線通信システムを強化されたC社様の事例をご紹介します。

C社様は車両10編成以下、基地局３局で運用されており、うち２局は路線上のトンネル内に設置されています。

今回の更新では、他社メーカー製アナログ無線装置から大日電子製アナログ無線装置へ更新しました。
加えて【デッドマン装置との連携機能】【車内放送装置との連携機能】や【非常通報装置】などを実装し、安全性の向上および乗客への更なるサービス向上を目的としたシステム強化を行いました。

大日電子は計画段階のご提案から携わらせていただき、施工後も年間保守契約を結び、毎年の点検や申請業務の代行を実施するなど一貫したサービスをご提供しております。

システム概要図

システムの特徴

①デッドマンや放送装置との各種連携機能を実装

【デッドマン連携機能】
車両でデッドマンが作動したことを運転指令に非常発報で通知する機能を実装しました。デッドマン作動時は自動で非常発報し、指令卓が受信します。指令卓では非常発報した車両番号が表示されブザーが鳴動します。無線にデータ信号を重畳させることができるため、車両番号を特定させることが可能です。

【列車放送装置連携機能】
運転指令から列車無線を通じて車内放送（緊急時のアナウンスなど）を行うことができます。
放送装置は既存装置を引き続き使用するため弊社にて異メーカー接続を行い、この度の更新で指令卓と放送装置との連携機能を実装しました。

②車両に列車無線と連携した非常通報装置を設置
新たな車上設備として、非常時に乗客が運転指令と通話することができる非常通報装置を設置しました。乗客からの呼び出し時に乗務員が一定時間応答しなかった場合は、自動で指令卓へ転送され、運転指令と乗客の通話ができます。
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③隧道用の基地局を用いたシステム
基地局は屋内用と隧道用の２種類があり、隧道用は屋外仕様の筐体で製作しました。現地調査でトンネル内の機器取付場所に制限があることがわかり、壁面に取り付けました。
またバッテリーを内蔵し、供給電源が断になっても８時間以上動作する設計を行いました。

切替方法

基地局を一斉に切替、車上設備は１年をかけて更新しました。

STEP1：個別調整
新基地局・新回線制御装置を設置し、試験後に旧設備に切り戻しながら機器単体の調整を進める。

STEP2：一斉切替
システム試験の確認後、新基地局へ一斉に切り替える。

主な更新機器・新規導入機器

基地局（本社用・屋内設置用）

指令卓で遠隔制御し、列車と通信するための装置です。本社用はラック内に収容しています。別途バッテリーを用意することで、停電時も動作することができます。

基地局（隧道用・屋外設置用）

トンネル内に設置する壁掛型の基地局です。内部に列車無線基地局と電源装置を実装しています。非常電池を内蔵しており、停電時８時間運用できます。
※写真は屋外機器イメージです。

回線制御装置

ラックに収容する小型の回線制御装置です。基地局と同じ収容ラックに取り付けています。基地局、指令卓の音声信号・データ信号の制御を行います。

指令卓

運転指令と列車が音声通信するための装置です。基地局を選局して送信や遠隔制御を行うことができ、各基地局のアラーム監視もできます。
また、以下の連携機能を有します。

【非常通報装置連携機能】運転指令と乗客が非常通報装置を通じて通話する機能
【列車放送装置連携機能】運転指令が列車放送装置を通じて車内放送する機能
【デッドマン連携機能】デッドマンが作動したことを運転指令に通知する機能

※写真は指令卓イメージです。

通話録音装置

指令卓に接続し、音声通話を自動で録音する装置です。指令卓からの通話・車上局からの通話、双方向の通話を録音します。

列車無線車上局・操作器

乗務員と運転指令が音声通信するための車上設備です。冗長性確保のため編成の前後に設置します。車上局故障時には自動で予備系統に切り替わります。
※写真は車上局です。

非常通報装置（親・子）

列車運行中に車両内で非常事態が起きた際、乗客が乗務員へ通報し、乗客と乗務員が通話するための装置です。
乗客からの呼び出し時に一定時間乗務員の応答がない場合は、自動で列車無線電話装置を経由して運転指令（指令卓）へ転送し、乗客と運転指令が通話します。
また、非常通報装置（親）には車内放送連携機能も備わっており、乗務員からの案内を放送することができます。
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