「列車無線 非常発報システム」は、列車無線の周波数を使用して指令所へ非常を伝達するためのシステムです。装置は列車無線装置と兼用の非常発報システム対応装置(車上局・操作器・指令卓)を用います。
非常発報システム対応の
列車無線装置
列車無線装置
車上局
車上操作器
指令卓
非常発報システムの仕組み
①事故発生時、列車の乗務員が操作器の非常発報スイッチを押下すると、列車無線装置が非常信号を送信します。
②指令卓はLED表示と警報音で非常発生を通知します。指令卓では非常が発生した基地局エリアがわかります。(発報した車両を特定する機能は打合せにより可能)
③指令卓から全基地局へ自動で信号を折り返し、非常発報を行います。
非常発報を受信した列車では操作器のLEDが点灯し警報音が鳴動します。指令から当該路線上の列車へ指示を出して列車防護を行います。
非常発報を受信した列車では操作器のLEDが点灯し警報音が鳴動します。指令から当該路線上の列車へ指示を出して列車防護を行います。
【注意事項】
列車無線と同じ周波数を共用するため、使用状況により、即時に非常発報できない場合があります。
防護無線と非常発報の違い
事故の二次災害を防ぐため周辺列車へ非常を伝える手段としては、非常発報システムの他に、列車防護無線装置による防護発報があります。
両者の違いは下記の通りです。どちらが適しているかについては、大日電子までお気軽にお問合せください。
両者の違いは下記の通りです。どちらが適しているかについては、大日電子までお気軽にお問合せください。
列車防護無線装置 | 列車無線 非常発報システム | |
---|---|---|
定義(※) | 非常時に発報した列車が約1km以内の距離にある他の列車に対して防護(列車の緊急停止命令)を行う。 | 運転室内の発報ボタンを操作することで指令所に非常発報信号を送信し、指令所では非常発報により発報区間を判断し、その区間の列車防護を行う。 |
周波数 | 防護無線専用の周波数を使用 (新たに総通局へ免許を申請) |
列車無線の周波数を使用 |
更新範囲 | 現状設備に防護無線装置、操作器、アンテナ等を新規に追加する。 | 非常発報システムに対応した車上局、操作器、指令卓の更新をする。 (基地局流用の場合は現状仕様の確認が必要) |
メリット | ・非常を周囲の列車へ即時に伝達することができる。 ・防護無線専用波のため、列車無線の利用状況に関わらず使用できる。 ・列車無線と防護無線を分けて設備ができる。 |
・指令に非常を伝達することができる。 ・既存列車無線の免許を使うため変更申請を行うだけで良い。 |
デメリット | ・指令は防護発報されたことが分からない。(運転士が指令に連絡) | ・列車無線の使用状態により即時発報できない場合がある。 ・〔車両が非常発報→指令→信号を折り返す→車両が受報〕するため伝達に時間がかかる。 |
(※)定義は「解説 鉄道に関する技術基準(電気編)第三版」国土交通省鉄道局監修、電気関係技術基準調査研究会編 より引用
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